一条工務店の特徴といえば高気密・高断熱仕様というのは皆さん周知かと思います。
初めて一条工務店について営業さんから説明される時にはこの特徴についてかなり説明はされるかと思いますが、その時に一緒にロスガードについても説明があるかと思います
このロスガードについてですが、これについても一条工務店の大きな特徴の1つになるものですが、意外とわかっているようでわかっていないものになっていないでしょうか?
ということで今回はこのロスガードについて知っておきたいこと5つを書きました。
このことを知っておくことでこれから間取りを設計する方はもちろんのこと、まだ一条工務店と契約するかどうか悩んでいるという方にとっての助けになればと思います
目次
1.ロスガードとは換気装置
換気装置は必須
もしかしたら勘違いしている方もいてるかもしれませんが、ロスガードは24時間換気装置の1種になります。
そして住宅にはこの24時間換気装置の設置が法律で決められていますので、他のハウスメーカーでも換気装置自体は設置されています
換気装置は3種類存在
設置が義務付けられている換気装置ですが、その方法により3種類に分類されます
- 第1種換気方式:給気、換気ともに機械で行う方法
- 第2種換気方式:給気は機械で行うが、排気は自然に行う方法
- 第3種換気方式:第2種とは逆で給気は自然に行い、排気は機械で行う方法
ロスガードは第1種換気方式
上記の分類を見てもらえればわかるかと思いますが、ロスガードは第1種換気方法に当たります
第1種換気方法の特徴としては、最も換気が確実に行えるという利点がある一方、コストがその分割高になります
また居室内の空気の制御をしやすいという利点もあり、コストを除けば最も優れた方法と言えます
2.ロスガードとは全熱交換器の一種
ロスガードは商品名
さてここまででロスガードが換気システムであり、また第1種換気方式という給気も排気も機械で行っている方式であるということがわかりました。
そしてロスガードの大きな特徴としてはこの給気と排気される空気を熱交換しているというところにあります
このようなシステムを有しているものを一般的には全熱交換器と呼びます。つまりロスガードというのは全熱交換器の商品名ということです
全熱交換器とは
簡単に言いますと、先ほど書いた特徴を持ったシステムのことです
つまり、給気と排気される空気が熱交換しているもののことをいいます
システムの中に紙のようなものでできた熱交換器があり、その中を給気される空気と排気される空気が通ることで、熱と湿気が交換されます
3.ロスガード90の特徴
快適・省エネ
ここまででロスガードが第1種換気方式であり、また給気と排気の空気で熱交換している全熱交換器の一種であることがわかりました。
なのでここからはロスガードの特徴について書いていきたいと思います。
まず大きな特徴としては快適性と省エネ性があります
これまでロスガードと言ってきましたが、正式にはロスガード90と言います。
そしてこの90という数字には意味が存在します。
以下に一条工務店のホームページに記載されているロスガード90の説明図を記載します
こちらは冬の場合のロスガードの説明ですが、ここに記載されているのは温度交換率90%以上ということです。
つまり0℃の空気と20℃の空気を熱交換させると20℃の空気から90%の熱を奪い取り0℃の空気が18℃の空気になり、室内に入ってくるということです
もうお分かりかと思いますが、ロスガード90の90という数字は熱交換率90%ということを示しています。
この数字について業界トップレベルの効率になるそうです
なお、冬に比べて夏は少し効率が落ちるみたいです
また先ほど書いたように熱だけでなく、湿気の方も交換しているので給気される空気の湿度も下がるということになります。
ですので、このシステムが高気密・高断熱仕様の一条工務店に導入されることで、例えば夏場ではエアコンをつけていても、給気される空気がエアコンにて冷まされた空気と熱交換されて入ってくるのと、高断熱仕様で熱が入ってこないことからエアコンの能力がそれほど必要なく省エネにつながるということになります
なので一条工務店のコンセプトを守る上ではこのロスガードが必要不可欠となっています
フィルターで花粉・PM2.5をガード
またもう一つの特徴としては、給気されるところが決まっているので、そこにフィルターをかますことで花粉やPM2.5を除去することができて、室内に入るのを防ぐことができます。
これについては実感が個人的にはあまりないので、正直こうだって言えるものがないのですが、一条工務店では高性能フィルターを使用することで花粉で言えば95%以上ガードできているみたいです
なので、フィルターの交換やお手入れというのは非常に重要になってきます。
4.ロスガードの設置位置には注意
ロスガードの設置取り決め
さて非常に高性能なロスガード90は一条工務店になくてはならないものであることはわかりましたが、このロスガードを設置する際には注意が必要です。
まず、ロスガードについては2階建ての場合は2階に設置することが決められています。これがいわゆる一条ルールの1つになるのですが、その理由は恐らく何かあると思うのですが私は知りません。
またロスガードを設置するスペースとして0.5畳程度必要になります。
我が家のようにそれでなくともあまり広くない家にとってはこれをどのように設置しようかというのは非常に頭を悩ませます。
そして、ロスガードをどこに設置するかはよく考えないとまずいことがあります
最近の機械の音は静かだが
「ロスガード」というキーワードで検索すると、よく騒音に関する話題がヒットします。
これはロスガード自体から出てくる音が気になるということで、とくに寝室の横などに設置すると夜中にその駆動音が気になるということがよくありました
しかし、最近はロスガード自体が静音設計されているということと、ロスガード自体を静音効果があるクローゼットの中に設置しているということもあり、最近は昔ほど音の問題はないようです
私自身も現状ロスガードの音については気になったことはありませんが、間取りの検討をする際にはこのことを考慮して寝室からは離して設計しました。
音に関しては感じ方は人それぞれですので、現状の音でも気になる人は気になると思いますので、音を考慮した間取り設計をするか、事前に宿泊体験などで音の大きさを確認する方がよいと思います
匂いには注意
これはロスガードに限ったことではありませんが、匂いについては注意が必要です。
室内に給気される空気は一か所から給気されて室内に供給されます。
もし給気口の近くに匂いがするもの(例えば、裏手にあるゴミ置き場からの匂い、公園などにあるトイレの匂い)があれば、それが室内全体に充満します
ロスガードは花粉やPM2.5は除去できますが、匂いについて除去できないので、給気口の設置位置については注意が必要です。
まあ普通なら設計士さんが事前に家の周辺も把握した状態で間取りの作成をしてくれるので、このようなことはめったにないと思いますが・・・
5.個別換気扇使用時の注意
なぜ個別換気扇が必要か
ロスガードは換気システムと言いましたが、室内には別の換気扇が存在しています
それはキッチン用・トイレ用・浴室用です。
これがなぜ別に個別にあるかというと、先ほど述べたようにロスガードの換気では熱交換器をとおして空気の熱・湿気を交換しているのですが、その際に匂いについても移ってしまうからです
仮に個別の換気扇がないと例えば料理をしていた時の魚の匂いが、給気される空気に移り、その空気が全ての部屋に給気されるという最悪の状況になります
ですので、匂いが発するキッチン・トイレ・浴室については個別の換気扇が設置されます
ですので、注意点としてはキッチンで料理中に換気扇の音がうるさくテレビの音が聞こえないからといって、換気扇のスイッチを切っているとキッチンの匂いが家じゅうに充満するという最悪の状況になるので換気扇は必ず切らずにいることが重要です
換気扇使用時は給気不足
もう一つ個別換気扇を使用している時の注意点があります。とってもこれはどうしようもない問題ですが・・・
何かというと個別の換気扇(特にキッチンのですが)を使用している時はどうしてもロスガードからの給気が不足します
これは考えてもらえればわかると思いますが、普段はロスガードにより給気と排気のバランスが成立している所に、個別に換気扇を回すと当然排気量が多くなります。
そうするとロスガードだけでは給気は追いつかず、室内は負圧気味になります。
そうなるとどうなるかと言いますと、別のところから室内に空気が入ってきます。
いくら一条工務店の家が高気密とはいえ、全くの隙間がないということにはならないので、そのわずかな隙間から空気が入ってきます。
これが冬だと寒いんですよね~。
我が家では窓の前にソファーがあるのですが、キッチンの換気扇を付けると真冬ではかなり冷たい空気が入ってくるので、いつもソファーから逃げておりました。
まあしょうがないかもしれませんが、一条工務店にはぜひ給気量を上げてもらうことをしてほしいものです
最後に
今回は久々に大作になりましたが、一条工務店のロスガードについて知っておいてほしい5つのことについて書きました。
これらを知っているだけでも間取りを検討する上でも違ってくると思います。
またまだ一条工務店で契約しようかと悩んでいる人の助けにもなればと思います
ちなみに、このロスガードというか全熱交換器ですが通常取り付けようと思えば100万円では到底足らず数百万円はするはずです。
ですのでこの機能が標準で装備されているのはかなり魅力的なことだと思います。